<参考データ>

石原知事定例記者会見録
平成17(2005)年6月3日(金)
15:00〜15:38知事冒頭発言
1.青山霊園外国人墓地について

【知事】冒頭、2つ、私から申し上げることがあります。

 1つはですね、先般、これは一部の新聞に出たそうですけども、最近、海外のある大学で教えている外務省の大物のOBからも手紙が来たんですが、明治時代から、日本の近代化に非常に貢献した外国人の方々のお墓が青山墓地にある。これは縁戚、親戚の方々との連絡もとれずに、だれもお参りせずに、手つかずのまま。どういうことでか、詳しく知りませんけども。

 あそこを整理してですね、お参りする人もいないんで、そこを再開発して墓地として売り出すと同時に、一部、公園をつくってね、一種の憩いの場所にもしようということで、外人墓地を整理するという計画があるようですけど。それはせっかく日本のために尽くした人たちなんでということで。

 だから、顕彰碑というんでしょうかね、慰霊碑というんでしょうかね、そのお墓の中に祀られている人たちの名前をプレートに刻んでね、集めて、スペースはスペースとして確保するんでしょうが、そういう顕彰碑をつくったらいいんじゃないかと思って、建設局に指示いたしました。

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東京都公園審議会
「区部霊園の管理について」最終答申
(平成14年12月)

将来的に、どのように霊園を管理していくか、審議会の答申が公開されています。

「国際遺産を守る会」(NPO申請中)設立の経緯と
東京都との意見交換で確認したこと……など

<タウン誌で改葬について知る 2005年1月>

 

●現NPO設立メンバーのひとりが、某タウン誌の「乃木坂周辺散歩ガイド」特集で「青山霊園の外人墓地が今年の10月に改葬される予定」という記述を目にし、驚いて青山霊園に確かめに行く

●告知看板がたくさん立っていて、石原知事の名前で、期日までに権利者からの申し出が無い場合は無縁仏として改葬するとあった。

●詳しい事情を聞こうと霊園内の霊園事務所へ行くと、都の霊園課に行って欲しいと言われる。

<東京都へ話を聞きに行く 2005年2月>

 

●質問を東京都霊園課へ投げてみることに。
1.看板を立てたお墓の持ち主をちゃんと探したのだろうか?
2.関係者を見つける努力をして連絡はちゃんとしたのだろうか?
3.滞納している管理費を支払い、今後の管理費も払い続ければお墓を守ることができるのだろうか?

●東京都霊園課の応え
1.個人情報の保護の問題で、詳しい話はできない。
2.看板を立てているし、官報にも掲載したので、こちらから関係団体に連絡するつもりはない
3.親族からしか管理費を受け取れないという条例があるので、お金の問題ではない。
というものだった。

子孫の方が海外にいるかもしれない。
代が代わって忘れられているかもしれない。
海外の関係者の皆さんに知らせるには、
どうすればいいんだろう……

  ●さっそく官報を確認すが唖然!これでは関係者に伝わらない!
・表記はすべて旧仮名遣いのカタカナ。もしかしたらいるかもしれない海外の親族が読めるはずもない。
・墓石の文字を表記することもできるのに、死亡者の名前は、「不詳」「その他」になっているもの多い。
これでは、外人墓地に埋葬されている人たちのご親戚や、ご子孫などがいても伝わらない。
<お墓関係の学校や教会の方からヒント!>
  ●お墓に関係のある学校や組織の方からの話で、なんらかの手続きをとり、管理費を払っている組織もあることがわかる。
<どんな手続が可能?東京都へ再び 2005年3月>
  2回目の霊園課とのミーティングの中で、

1、東京都の公園と霊園の共存の計画についてヒアリング(一部の墓所を移転させ、訪れた人が使えるスペースにするという案など)
2、個人の集まりとしてではなく、NPOなどの法人として組織であれば対応しやすいということで、それならばと、特定非営利活動法人を組織し、5月末に申請書を提出。
<石原知事が外国人墓地について言及 2006年6月>
  右に前文を掲載。新しい看板が立てられた。(左)
<霊園課、計画課の方と意見交換 2005年6月、9月

 

次のような話をヒアリング

●石原知事の発言では、無縁墓所を撤去し、新しく慰霊碑を建てるようにも聞こえるが、そのようなことはなく、新たに碑を建てるようなことはないと確認。

●東京都として、外人墓地に関しては、基本的に歴史的空間として残す意向である。

●申し出のなかった無縁墓所は、使用権を都に移管し、管理する。今年もしくは今年度で、権利の移行を完了する→来年度以降に持ち込む予定(9月現在)。

●いくつかの大使館や関連団体から連絡があった。
条例を変えずに、大使館や関連団体に使用権を移行し、管理費を払ってもらえるよう計らう予定。(申し出があったか、なかったかについては、公表できないとのこと)

●都庁からも関連団体に、連絡することを検討中とのこと。(難しいとは思うが、教育庁と外人墓地区の文化財の認定についても検討)

●直接の関係者ではない団体が使用者となって、管理費を払ってもらうことは困難。(NPOからは、情報や物品、労力の提供などを、外郭団体を通して受け取る用意はあるが、金銭の寄付を受け取ることはできない。)

●関連団体が9月30日までに申し出れば、お墓の使用権を引き継ぐことができることを確認。また、10月1日の期限をすぎても、関係団体からの申し出を受け入れる予定。

心配なこと
●申し出のなかったお墓は、所有権・使用権ともに東京都が持つことになり、「基本的に残す」と口頭で言われても、実際に50年先100年先のことを考えると心配。

●担当者や世代が変わっても、外人墓地区を保存していくためには、確固とした基準が必要。
何かの形で明文化したり、登録文化財や指定文化財の認定を受けたりするなど、今後このような混乱や問題が起こることのないようにする方法はないのか?


メンバーには在日外国人が多いこともあり、
英語での情報発信が先行しています。
現在、日本語のサイトを作成し、
少しでも多くの方、また関連団体の方が、
外人墓地の保存に
関心を持っていただけるよう 努力しています。

引き続き、都の霊園課と協力しながら、
青山霊園の外人墓地区を
これからも
保存すべき都民の大切な遺産として守れるよう
活動していくつもりですので
ご助言、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。


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