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青山霊園・外人墓地について 沿革とその意義
byケイト・ワイルドマン・ナカイ (上智大学教授・モニュメンタ・ニポニカ編集長) |
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1. 青山墓地の沿革 無縁化が思われていたほど進んでいないことを認め、平成12年(2000)から管理費の滞納をテコとして、無縁化(使用許可の取り消し)や墓の任意的移動を積極的に促進させながら、平成15年(2003)に「霊園」と「公園」の共存方針を決める。 |
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東京都公園審議会による提言区部霊園の将来像 〜「霊園」と「公園」の共存〜 【提 言】 (『区部霊園の管理について 答申の概要』P3) |
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無縁墳墓整理方針 無縁墳墓の整理とは、管理料が長期間滞納されている墓所を対象に調査し、使用者が不在または不明であり、かつ承継する者が居ない場合、霊園管理者が墓所の使用許可を取消し、遺骨を改葬し、墓石等を撤去する行為である。 これは、一義的には、不適正な使用状態を是正し、行政財産の適切な運用を確保することが目的であるが、霊園再生においては、この制度を積極的に活用し、空地の拡大を進めていくべきである。 都は、平成12 年度より、管理料を10 年間以上滞納している墓所を対象として、無縁墳墓の整理を実施してきた(平成16 年度より7 年間に短縮)。特に、青山霊園においては、再生事業の開始に伴い、平成15 年度には対象とする墓所を管理料滞納7 年間に、平成16 年度にはこれを5 年間に短縮した。 谷中霊園にあっても、青山霊園と同様、積極的に無縁墳墓の整理を行い、空地の拡大を図ることが必要である。 (東京都公園審議会 『「谷中霊園再生のあり方について」 中間のまとめ』 P23)最終答申はこちらから
外国人墓地区の位置 |
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青山墓地の中の外人墓地 外国人の内地雑居、土地の自由売買が原則として認められていなかった時代に、外国人が青山墓地の中に葬られるようになった経緯ははっきりしていないが、明治13年(1880)からこういった墓が現れるようになり、1880年代の後半からかなりの数になる(おそらく政府と関係を持つお雇い外国人から始まり、それから宣教師、教員、外交官、商人等やその家族に広がる)。 その墓が一区画に集中され、今は約210基の墓がある。その殆どが1880年代から1910年代までに造られたと思われる。
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無縁化する可能性のある外国人墓所 百年以上の年月がたった今日、親族や関係者が分からない場合が多いこともあり、外人墓地は都庁の無縁化・使用許可取り消し政策の対象として大きな打撃を受ける危険がある。 去年から68の墓所(78の墓石)の前に管理費滞納により、2005年10月を期限として使用許可取り消しを警告する立て札が建てられた。その中の「著名人」に関しては救われる可能性があるとしても、「無名人」(子供・同伴家族を含む)の墓の行く末は危ぶまれる。 |
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こんな方々の墓石前にも看板が・・・
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特に、外人墓地が大規模な空き地を提供するものとして整備方針の中心となりかねないこと、名所としてその「名」だけが残り、「実」が空洞化することを懸念する。 |
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外人墓地の意義 歴史を学ぶとき、個別現象を関連づけ、全体のコンテクストの中に位置づけることが大原則である。 背景と照らしあわせることによって、個別現象の意味することがはじめて正確に見えてくる。 |
外人墓地そのものやそこに眠る人々の生涯の歴史的意義、またそれと近代日本の歴史との関連を十分理解するために、外人墓地を人工的なモニュメントとしてではなく、生きている遺産として、なるべくその全体のコンテクストが見られる形で保存することは是非必要である。 |
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■たとえば、外人墓地にはいろんな国籍を持つ人々が眠り、その墓石にそれぞれの国風が見られる。 |
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■「無名」の人の墓の裏にこそ訪ねる人の興味を引き、人間社会の普遍性を思い起こす話が潜んでいる場合も多くある。 外人墓地をなるべく本来の姿に保存し、そこに眠れる人々の尊厳を守り、訪ねる人が自然にそういう話に出会う可能性を開くことに大きな意味がある。 |
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■日本の職人が外国の葬送習慣に加わわったことから、日本の葬送習慣へ何らかの影響を与えたものと考えられる。 その墓石を造ったのはおそらく当時の日本の職人であり、そのスタイルが近代日本の葬送習慣に少なからぬ影響を与えたと思われる。そこに近代日本の国際性の一面を伺わせる大事な機会が存在する。
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